順調に進むかと思われた浮気調査が思わぬ事態に

調査当初は簡単に尻尾を掴める手応えがあったのに、その後思わぬ事情で調査が難航するケースもあります。
依頼者は結婚11年目を迎える40代の女性で、会社員の旦那さんと小さい子供さんの4人で生活していました。
旦那さんは地元製薬会社に勤務するエリートサラリーマンで、40代になって役職もあがり、お金には余裕があったそうです。しかし、昔から旦那さんは女グセが悪く、数年前に1度浮気をしたとのこと。
そのときは謝罪させて許したようですが、最近になってまた職場の女性と浮気をしていると感じ始めました。
旦那さんは企業内の管理部門の事務職であり、仕事は8:30〜17:00までで、残業はあまりなくきっちり終業できる状態。
その部署には依頼者である奥さんの知り合いもいるため、会社での旦那さんの様子がわかったようです。
旦那さんは繁忙期でもないのに、仕事の帰りが遅くなることが続いたことから、奥さんは不審に思いました。
会社の女性の知り合いに聞いたところ、「新しく入って来た○○ちゃんという20代の女の子に仕事を教えてるうちに仲良くなっちゃったみたいだよ。」と教えられたそうです。
また、旦那さんは自宅にいるときも、気づかれていないと思いこんで、堂々とスマホで相手女性と連絡をとっている様子。
奥さんは旦那さんのスマホの操作の仕方や、ちょっとだけ隠すような仕草に、すでに気付いていました。
奥さんは2度目の浮気を許せないということで、探偵事務所に面談に来て、妹さん同伴のもと契約をしました。
やはり一人で探偵事務所を訪れて申し込みをするのは不安だったのでしょう。そういうお客様は多くいらっしゃいます。
浮気調査1回目はかなりイージーなものに

旦那さんはすでに浮気をしていることに対して、何の後ろめたさも罪悪感もなく、周囲には無警戒の状態。
会社でも部署内では周知の事実で、仕事帰りに一緒にどこかへ行っていることはバレていました。
こういった状況での浮気調査は極めて簡単で、すでに開き直って堂々としているターゲットはすぐに尻尾をだします。
会社近くに調査員が待機して、終業時間に合わせて撮影を開始し、2台の車が合流したところを撮るだけです。
まずは、浮気相手と一緒にいる情報が欲しいとの依頼だったので、調査員はすぐに出動しました。案の定、旦那さんは警戒する様子もなく、会社の駐車場を出てから30分程度のところにあるファミリーレストランへ。
到着してから10分後には相手の若い女性がやってきて、2人で食事を始めました。調査員も店内に入り、2人の様子を撮影するとともに、会話の内容をチェック。
すると、「来週の土日は○○県まで泊りで行くか?」などと、旦那さんが女性を誘う会話が聞こえてきました。
1回目の調査では浮気の証拠である「不貞行為」を推測させるシーンは撮影できませんでした。
依頼者である奥さんは「とりあえず浮気の情報があれば知りたい」とのことだったので、調査の結果を報告して納得してもらいました。
浮気調査の進展に陰りが見えはじめる

1回目の調査が終わり、奥さんは旦那さんの浮気に確信を得たようでした。
奥さんからは、「これから大型連休に入るから、会社が休みの時に会っていれば間違いないので、何かあれば連絡します。」とのメールを頂きました。
すでに、旦那さんには特殊機材が設置してあり、位置情報がわかるようになっています。奥さんが検索して、旦那さんの居場所におかしな点があれば、すぐ出動するという手筈になっていました。
しかし、連休中は奥さんから連絡は一切なく、調査員がメールをしても返信がありません。
連休の最終日にようやく奥さんと電話がつながったため、旦那さんの動向を聞いたところ、「連休中はあやしい点はなかった」との回答でした。
調査員は一応納得しましたが、旦那さんが浮気相手と恋愛関係にあることはハッキリしています。
再度奥さんに調査の方針を伝えましたが、どういうわけか、奥さんは旦那さんの行動について「最近はあやしいところがない」と言い始めました。
仕事帰りや休日など、開き直った旦那さんが浮気相手と会わないはずがありません。
奥さんもそれをわかっていて、位置情報もとれるならば、絶対に再調査を依頼してくるはずです。
にも関わらず、1回目の調査が終わった時点で、奥さんは急に態度を変えてしまい、あまり調査に乗り気ではなくなってしまったのです。
奥さんの真意はどこに?
依頼者から依頼がなければ、浮気調査は終了になってしまいます。
契約したとはいえ、依頼者が打ち切りを希望すれば1回の調査で終了ということになるのです。
探偵事務所側は、10日ほどあけてしばらく様子をうかがい、女性の調査員が奥さんにコンタクトを取ることで事態を解決しようとしました。
すると、奥さんはもう1度面談を希望。指定された日時に女性調査員が向かい、喫茶店で面談を実施しました。
その後、女性調査員の報告では、「浮気の事実が会社や親族にバレれば、旦那さんがかなり責められる」ことを想定し、調査に踏み切れないでいるとのこと。
奥さんは最初は怒り心頭でしたが、いざ調査が進むと今後旦那さんの身にふりかかる周囲からのバッシングを心配し、浮気した旦那さんに情をかけるようになったのです。
ご自身と旦那の今後に対しての不安が
女性調査員は奥さんと再三連絡をとり、依頼の際に同伴した妹さんにも来てもらった上で、再度、浮気調査の方向性を確認しました。
当然、妹さんは旦那さんの行為を許すことができず、「絶対に証拠をとって別れるべき!」「2度目の浮気で、しかも開き直ってる相手に情をかけることはない!」と主張します。
奥さんはパートで働いているため生活力があまりなく、離婚したら今後の生活も心配という点で迷っていたようです。
結果として、妹さんの説得などがあり、調査が再び動き出すまで、実に2か月の期間を要しました。
奥さんはついに気持ちを固め、「証拠がとれたらおそらく調停になるだろうから、その準備も整える」と言って離婚までの段取りを開始。
共有財産の金額、親権、住宅ローンやその他の借金などの負の財産に対する主張を決めました。
浮気調査3回目で結果としては成功に

実に2か月間あいたものの、結果として浮気調査は成功しました。
以前ほど旦那さんと浮気相手が会うペースはなかったので、1度のチャンスを逃さないよう、細心の注意を払って浮気調査を開始。
休日のあるとき、旦那さんが郊外へ買い物に行くと言って出かけたあと、目的地と違う位置情報が検索されたため、調査員が急行しました。
1時間ほどかけて2人がいるラブホテルに行き、部屋に停まっている車のナンバーを押さえた上で、3時間後に出てくる2人をバッチリ撮影。
こうして、1度崩れかけた難調査は再び動き出し「不貞行為」を推測させる確実な証拠をとることができました。
その後、奥さんは決意したとおり離婚を決めました。
最初は財産分与などで合意すれば協議離婚が成立するはずでしたが、やはり旦那さんは納得せず話し合いがもつれる結果に。
調停に訴えた奥さんは、ここで決定的な証拠をつきつけて、自分の主張を通し離婚を成立させました。
いざ調査が進むと依頼者の心が揺れ動くことはよくある
こういったパターンの浮気調査は多く、特に女性が依頼者である場合に「迷いや不安」が離婚を踏みとどまらせることがあります。
当初は血気盛んに「離婚!」「慰謝料!」という心境でも、いざ真実が明らかになってくるとそれまで潜めていた怖さや情が湧き出てくるものです。
これまで一緒にいた旦那さんとキッパリ別れられるか。
いざとなると「調べはするがその後のアクションに踏み切れない」方がいて、調査に対して情報を提供しなかったり、契約したものの弱気になって取りやめるケースがあるのです。
もちろん、探偵事務所の調査員は相談にのって、弁護士などを紹介し、依頼者がとれる選択肢をすべて提示します。
気持ちが不安定な時は、誤った判断をしてしまう場合がよくあります。
依頼者の方は契約したのちも調査員やカウンセラーに気軽に相談し、決して1人で悩まずに対処することが大切です。